CDI?CDD?Intérim?Saisonnier ?フランスの雇用契約の違いについて知ろう

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日本と同様に、フランスにも様々な労働形態が存在します。

フランスでまだ仕事をしたことのない皆さんでもCDIやCDDという単語を聞いたことがあるのではないでしょうか?

一般的には、CDI、CDD、Intérimの3つが労働契約の大枠です。この記事では、この3つの労働契約の違いについて簡単にまとめています。

ほかにも、Apprentissage(見習い)、Stage(研修)、 Alternance(インターン)、 Contrat d’Engagement Jeune(若者向けの就職プログラム)等々が存在しますが、これらについては違う機会に見ていきたいと思います。

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CDI(Contrat à Durée Indéterminée)/ 無期雇用契約

CDIとはContrat à Durée Indéterminéeの略で、無期雇用契約、いわゆる正社員契約のことを指します。

その名の通り、期限の定めがない労働契約です。

CDIにはフルタイム労働(151,67時間)とパートタイム労働の二つがあります。

パートタイム労働の場合は労働契約書が必須ですが、フルタイムの場合、意外なことに労働契約書は義務ではなく、口頭だけで成立します。(とはいってもほぼ全ての会社で契約書を作成しますが)

CDI intermittentとは?

CDIの契約のなかでCDI intermittentと呼ばれる少し特殊なものがあります。中断の期間を伴うCDI契約のことで、CDII、CD2Iとも書かれます。

学期休みに活動する教育関係、閑散期がある農業従事者、旅行業務従事者などの職種がCDIIの対象となります。CDII契約を結べるセクターは各Convention collectiveによって定められています。

例えば、スキー指導員の仕事はほぼ12月から3月末までです。4月から11月は何もすることはありません。CDII契約を結んでいる場合、指導員は12月から3月だけ、契約で決められた労働時間の間に働きます。仕事をしていな時期は、他の場所で働いてもかまいません。

CDIIは働いていない時期でも他のCDIと同様の権利を持っています。

給料の支払いは、働いている時期だけ支払われる場合もあれば、年俸を12ヶ月に分割した金額を毎月支払われる場合もあります。

CDD( Contrat Durée Déterminée)/ 有期雇用契約

CDDとはContrat Durée Déterminéeの略で期限の定めがある有期雇用契約のことです。

職種によって契約期間に幅がありますが、一般的には最長で18ヶ月です。

CDDとCDIを分けるものは契約終了日の存在のみで、その他の権利等々はCDIと同様に保障されています。

有給休暇、特別休暇、産休、育休、ボーナス等もCDIと同じ条件で受け取れます。

契約を満了した場合、最後の月にPrime de précaritéと呼ばれる不安定雇用手当が支払われます

CDD d’usage

CDDの契約のひとつにCDD d’usageと呼ばれるものがあります。

CDD d’usageは特殊なポストに就く人のための契約で、各ミッションごとの契約になります。CDD契約ですが契約期間や更新回数の制限が労働法に定められていません。(各Convention collectiveによって定められてる場合があります)

CDD d’usageは例えば以下のようなCDIのポストが提供できない(CDIのポストが想定されていない)、活動期間が限定されている職種にのみ契約の締結が許されています。

  • 演劇、芸術関係の活動
  • 学期休み中の学外活動業務
  • 森林伐採業
  • 引っ越し業務
  • 季節限定のホテル、レストラン業

Usageの場合、契約が終了してもPrime de précaritéは支払われません。

CDD saisonnier/ 季節労働の短期契約

CDDの契約形態のひとつで、Saisonnierというものがあります

CDD saisonnierは毎年繰り返し行われる一時的な季節労働の際に結ぶことのできる契約で、通常のCDD契約とは違い、終わりの日が決まっていません。

一番分かりやすいのが、農作物の収穫等の仕事です。

農作物の収穫は天候に左右されるので、いつ契約が終わるのか予め決めておくことができません。予定日より早まることも、遅れることもあります。よって、CDD saisonnierの契約書には終了日が決められていません。

CDD saisonnierはPrime de précaritéは支払われませんが、同一の雇用主の元で何度も仕事をしている場合、Prime d’ancienneté(勤続手当)が支払われます

Contrat vendanges/ ブドウ狩りのバイト

8月から9月の間に出回るのがVendanges, ブドウ狩りのバイトです。

ブドウ狩のバイトもCDD saisonnierに含まれますが、ブドウ狩りのバイトに限って以下の条件が付きます。

  • 契約期間が1ヶ月を超えてはならない
  • 民間企業で働く労働者、公務員をその有給中に雇うことができる

通常、会社員が有給中に別の職場で短期バイトをすることは禁じられています。公務員も同様です。

ただし、特定の時期に多くの人手が必要となるブドウ狩りのバイトに限って、全ての人が有給等を利用してその業務に従事することができます。

Intérim (Contrat de travail temporaire)/派遣契約

CDDは会社と直接に雇用契約を結びますが、Intérimの場合、雇用関係を結ぶ相手は派遣会社です。

よって給料も派遣会社から支払われることになります。

試用期間が通常のCDD契約に比べて短い、契約の終了日を変更できる等、通常のCDD契約に比べて柔軟な点はありますが、基本的にはCDD契約の待遇と同じです。契約の終了日にはCDD契約と同様にPrimeを受け取ることもできます。

会社側がCDDではなく派遣会社を選ぶ理由は、採用プロセスを省くことができ、すぐに人材を確保できるという点です。

そのため、派遣会社から送られてくるミッションの多くは数日から数週間で明日からすぐに出勤、というものが多いです。

CDI Intérimaireとは?

CDI Intérimaireは派遣会社との間でのCDI契約です。CDI Intermittenと同様にCDIIとも呼ばれ少し紛らわしいのですが、契約形態は全く違います。派遣先のミッションが終了したらまた新しいミッションに送られます。

派遣会社との契約書の中で定められた勤務地域、職種、勤務時間等の条件をクリアしたミッションの場合、基本的に労働者の側から断ることはできません。

CDI契約なので、CDDやIntérimの場合とは違い、契約終了後のボーナスはでません。

まとめ

フランスの雇用契約の違いについてみてきました。

他にも、役所から民間企業への公務員の出向等々、特殊な労働契約があるのですが、このサイトでは主に民間企業に焦点を当てているので省略します。

CDDの場合でもPrime de précaritéが出る場合と出ない場合があること、などは押さえておきたい点ですね。

ブドウ狩りのバイトは私自身、参加したことがあります。学生さん、年金生活を送っている人から普段は市役所に努めているひと、企業の会社員など、年齢層も職業も様々な人が集まって仕事をしました。

土曜、日曜だけに参加する人、有給休暇中の2週間まるごとバイトをする人もいます。

とても和気あいあいとした雰囲気で、普通のバイトとは違う、フランスらしさを感じるバイトでした。

もしワイン畑の近くに住んでいる場合、ぜひ一度参加してみることをおすすめします。

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