Net à payer? Net social ? Netの違いを知ろう

給料明細の中身
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まず、フランスで今現在働いている方は自身の給料明細をみてみましょう。

Gains bruts(給料支給額)の後に以下の項目があるはずです(明細によって名称は少々異ななります)

  • Net à payer
  • Net à payer avant impôt sur le revenu
  • Net imposable / Net fiscal
  • Net social (2023 年 7 月以降)

BrutとNetの違いは知っているけど、この4つのNetは何を意味するのか、どう役立つのか?と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

今回はそれぞれのNetの違いを見ていきましょう。

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Brut とNet à payerの違い

すでに知っている人も多いと思いますが、Brutは給料の額面のことNet à payerは社会保障費等の負担分を引いた実際に銀行口座に振り込まれる金額のことです。

求人情報および面接時に提示される給料はBrutです。契約書にかかれている金額もBrutです。

Netの金額を知りたい場合、フランス政府のサイトでかなり正確に計算できます。https://code.travail.gouv.fr/outils/simulateur-embauche

単純に言うと、3864 €以下の場合はBrutから23%を引き、さらにそこからMutuelle(民間の共済保険)とPrévoyance(共済制度)の金額を引いたものがNetです。

Mutuelleは,個人事業主、公務員をのぞく民間で働くすべての人に加入義務がありますが、以下の場合は加入を免除されます。
 ・短期契約のCDD
 ・両親もしくは配偶者のMutuelleに加入している場合
 ・2つの仕事を掛け持ちし、すでにMutuelleに加入している場合
 ・週15時間以下のパートタイム勤務

Prévoyanceは加入の義務はありません。しかし、Convention collective(団体協約)に予め規定されている場合は、そのConventionに依る全社員に加入義務があります。また、Cadre(管理職)の人はConventionに関わらず加入義務があります。

Net à payer avant impôt sur le revenuとは?

フランスの源泉徴収制度

フランスでは2019年1月から源泉徴収制度が開始しました。それ以前は納税者が自ら手続きし申告していた所得税を2019年以降は雇用者が給料から直接徴収するようになったのです。

それに伴い、給料明細への記載が義務付けられたのがNet à payer avant impôt sur le revenuです。

これは、所得税が引かれる前のNetの金額です。

通常は、この後にImpôt sur le revenu prélevé à la source(所得税の源泉徴収)という一行が続き、所得税を引いた後のNet à payerが実際に銀行口座に振り込まれる金額になります。

所得税が0の場合はNet à payer avant impôt sur le revenu=Net à payerです。

なお、所得税率は毎年5月に行う確定申告をもとにして、税務署から各企業へと伝達されます。

会社は税務署から通知された税率を適用するだけなので、もし税率に疑問を感じても雇用主は何も答えることはできません。税務署に問い合わせましょう。

新入社員と超短期契約の従業員にはLe taux neutre が適用

所得税率について知っておくべきことがひとつあります。

新入社員と超短期契約の従業員(数日から数週間)に対してはLe taux neutreが適用されるということです。

Le taux neutreは個人の所得のみにかかる税率です。所得税率は世帯収入を基礎としているので、税率から個人情報(家族構成、不動産収入、配偶者の収入等)を推察することができてしまいます。Le taux neutre を選択すると、月々の給与所得に応じた税率が適用され、給与外の本当の所得を雇用主に対して秘密にすることできます。
なお、差額分の所得税は自ら税務署に申告して払うことになります。

社員の真の所得税率を知るためには、一度給料明細を出し、新入社員の情報を関連機関に送る必要があります。それを受けて翌月以降に税務署から、その社員に係る所得税率が送られてきます。

そのため、入社して初めての給料明細にはとりあえず以下のLe taux neutreを適用することになります。1ヶ月を超えない超短期契約の場合も同様です。なお税率はBrutではなく、Impôt sur le revenuのBaseに記載されている金額にかかるので注意しましょう。

より詳しく知りたい方は税務署のHPを参考にしてください。
https://www.toutsurmesfinances.com/impots/taux-neutre-de-prelevement-a-la-source-ou-taux-non-personnalise.html#:~:text

例えばImpôt sur le revenuのBaseが2016€の人は入社1か月目は4,10%が適用されます。

前月まで所得税率が0%だった人が新しい会社でいきなり82€も天引きされたらちょっとビックリしてしまいますよね。しかし、翌月の給料明細からは0%に修正されているはずです。多く払った分は翌年の確定申告後に戻ってきますので確認しましょう。

Net imposable / Net fiscalとは?

Net imposable = Net a payer avant impôt sur le revenu ではない

皆さんの給料明細の一番下を見てください。

月々のNet imposableもしくはNet fiscal の記載があると思います。(単に1月から合算したCumul net imposableだけの場合もあります。)

Net imposableとは上述所得税の対象となる給与所得のことです。

みなさんが確定申告を行う際、すでに給与所得の欄は税務署によって記入済です。税務署は毎月雇用主が申請するNet imposableで私たちの給与所得を把握しているからです。

例えば2023年の確定申告の場合、その総額は2022年12月の給料明細にあるCumul net imposableと一致するはずです。

さて、ご自身の給料明細を見て気づいた人もいると思います。

Net imposableとNet à payer avant impôt sur le revenuが同じ値ではないということに。

Net imposableの計算方法

まずはNet à payer avant impôt sur le revenuの計算から見ていきましょう。

先ほど、Net à payer avant impôt sur le revenuは所得税が引かれる前のNetの金額だと説明しました。つまり、上段のSalaire Brut(もしくはGains Bruts)からTotal des cotisations et contributions(分担金及び税金の合計)を引いた金額がNet à payer avant impôt sur le revenuになります。

Net à payer avant impôt sur le revenuとは
+ Salaire Brutの合計
− Cotisationsの合計
+ 所得税/分担金の対象とならない収入(例えば交通費、昼食補助、セキュからの払い戻し金等)

対して、Net imposable / Net fiscaleにはいくつかの分担金と税金の項目が追加されます。

例えば会社のMutuelle(共済保険)に加入し、雇用主がその50%を負担したとします。
給料明細にはComplèmentaire santéの行に従業員と雇用主の負担分が記入されているはずです。この雇用主負担分は、非間接的な所得として所得税の対象となります。

また、一部のCSG/CRDSも所得税のベースに再編入されます。
CSG/CRDSについては機会があれば詳しく解説したいと思いますが、今のところは社会福祉に関わる税金としてとらえてください。

皆さんの明細にCSG/CRDS non déductible de l’impôt sur le revenu 2,9 %の一行があるはずです。ご丁寧にちゃんとnon déductible de l’impôtと書いてありますね。それです。時間外労働の報酬がある場合は、それに係るCSG/CRDS の9,7%も加わえます。

一方で、時間外労働の報酬自体は2022年度より7500€を上限に所得税の対象から除外されます。

Net imposable / Net fiscaleとは
+ Salaire Brutの合計
− Cotisationsの合計
− 時間外労働のBrutの金額
+ CSG/CRDS non déductible de l’impôt sur le revenu 2,90%(+時間外労働の報酬9,70%)
+ Mutuelle(共済保険)の雇用主負担分

少し面倒な計算ですね。

ただCotisationsからNetの計算は会計ソフトにとって一番の肝なので、会計ソフト開発会社もしっかりと調整していてあまり間違えることはありません。計算があっているかどうか、あまり気にする必要はないでしょう。
Net imposableとNet à payer avant impôt sur le revenuは別ものということが理解できれば十分です。

2023年7月登場、ニューフェイス Net social

さて、2023年7月からの給料明細に新たに記載が義務付けられたのがNet socialです。

まずはその目的からみていきましょう。

どんな時にNet socialが必要なのか?

Net social はすべての従業員に関わるものではありません。Caf(家族手当金庫)においてRsaもしくはPrime d’activitéを申請する際に必要となります。

Rsaとは日本でいうところの生活保護のことです。就業意欲の維持と受給者の社会参加を後押しする目的で、就業後にも一定の条件で需給することができます。
Prime d’activitéは収入が一定水準を満たない労働者に対して購買意欲を高める目的で支給されます。申請者の割合は主に18歳から25歳の学校を出たばかりの若年層が多いようですが、18歳以上で条件を満たせば誰でも申請できます。

Net imposableと同様にNet social = Net à payer ではありません。
これまで、申請者は自分自身でNet socialを計算していましたが、申請金額には間違いが多く、Net socialが給料明細に記載されることはCafにとっても申請者にとっても手続き上の手間が省けることになるようです。

Net social の計算方法

Net social の計算は簡単なのでサクッと見ていきましょ。以下のとおりです。

Net socialとは
+Net à payer avant impôt sur le revenu
−Mutuelleの従業員負担分

まとめ

ここまでNetの違いについて詳しくみてきました。
実際のところ、計算方法については特に気にする必要はありません。前述したようにこの点においては会計ソフトは正確な値をだしてくれます。
Netについては以下の違いがわかれば十分でしょう。

Net à payer = 実際に銀行口座に振り込まれる給料
Net à payer avant impôt sur le revenu = 所得税が引かれる前の金額
Net imposable = 所得税の課税対象となる金額
Net social = Cafに収入の補填を申請する際に必要

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