フランスで初めての仕事~Congés Payés(有給休暇)の基本

はじめての給料明細
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フランスで仕事を始めたばかりの人のための、Congés Payés(有給休暇)の超基本情報をまとめました。

Congés Payés(有給休暇)についてはすでにいくつかの記事で深く掘り下げていますが、この記事では、初心者?の方にも分かりやすいように、概要をまとめています。

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Congés Payés(有給休暇)の獲得

全ての労働者がCongés Payés(有給休暇)の権利を獲得できます。

Congés Payés(有給休暇)の権利の獲得とは?

1ヶ月会社に在籍していた場合、2,5日(もしくは2,08日)の有給休暇の権利を取得できます。
短期契約で1日しか勤務していなくても、日割り計算で有給休暇の権利が発生します。

新人1
新人1

2,5日と2,08日の違いはナニ?

Tamaki
Tamaki

有給日数の数え方の違いだよ。基本は2,5日だけど、土曜や日曜日が週休じゃない会社では2,08日を採用するところが多いよ。

Congés Payés(有給休暇)はいつ使える?

基本ルールでは、その年の6月から翌年の5月に貯めたCPの権利を翌年の6月以降消費できます。ただし、希望すればCPは獲得した翌月から使うこともできます。

CDI、CDD、フルタイム勤務、パートタイム…違いはあるの?

ありません。CDIでもCDDでも、フルタイム勤務でも、パートタイムでも、会社に1ヶ月在籍していれば2,5日もしくは2,08日の有給休暇の権利を獲得します。
週に1回5時間の勤務でも月末には2,5日の有給休暇の権利がもらえます。

病気で会社を休んだ…Congés Payés(有給休暇)は減らされる?

減りません。病気、産休、労災等々の健康上の理由で会社を休んでも、月末に獲得できる有給休暇の日数は同じです。(ただし病気の場合はある日数を過ぎると、CP獲得日数が2,5日から2日と少し減ります)

Congés Payés(有給休暇)の消費

獲得した有給休暇の権利を使う(消費)する際にはいくつかの注意点あります。

有給休暇は好きな時にとれる?

実のところ、有給休暇を「いつ」取るのかを決定するのは雇用主です
会社全体が夏休みに2週間、冬休みに1週間閉まる場合、社員の有給休暇が充てられます。また、業務の継続性のために、有給休暇の申請が断れることがあります

夏の期間は最低でも連続2週間の有給休暇の取得

有給休暇の期間を決定するのは雇用主側ですが、一方で雇用主側は社員に対して連続2週間の休暇を夏期間(5月1日から10月31日)に取得させる義務があります。

有給休暇を時間単位でとれる?

とれません。必ず半日(0,5CP)か1日(1CP)です。

新人2
新人2

午前中に1時間だけ休みたいときはどうすればいいの?

Tamaki
Tamaki

半日の有給を取るか、上司に相談して残業分で相殺する等してもらいましょう

また、有給休暇の消費は勤務予定日(休暇の初日)から始まり実際に仕事に戻る前日までを通しで数えるという基本ルールがあるので注意しましょう。

有給休暇の日数を貯金して翌年度にまわせる?

会社によって違います。5日までなら繰り越しOKや、繰り越しはダメ、使い切ってください、等様々です。上司およびRHに問い合わせましょう。

有給休暇中のアルバイトはOK?

ダメです。ただし、ぶどう狩のアルバイトVendangesだけは許可されています。
一応、上司もしくは人事担当に話をしておきましょう。

Congés Payés(有給休暇)の清算

1日、1週間、1ヶ月といった短期の労働契約の場合、有給休暇を使う機会はありません。有給休暇の権利はお金で清算されます。また、会社を退職する際も、同様です。使い切れなかったCPは退職時に金銭で清算されます。

1日だけの労働でも、有給休暇はお金で清算されるの?

1日だけでも有給休暇の清算を行います。2,5日を月の日数で割った1日分の有給休暇分が基本給に上乗せされます。

退職時に未消化の有給休暇はどうなるの?

退職時に未消化の有給休暇は全てお金に換算されて、退職時の給料に上乗せされます。

給料明細への記載

通常、給料明細の下の欄に以下のような有給休暇の取得、消費、残高を示す表があります。

CPとは有給休暇を、N-1(もしくはA-1)とは前年度を指します。例えば、2025年9月現在、CP N-1は2024年度を指します(2024年6月から2025年5月に獲得したCP)。CP Nは今年度のことです(2025年6月から2026年5月まで)。
新しい職場で働き始めると、CP NのDroitの欄に月ごとに獲得した有給休暇の権利が貯まっていきます。
貯まった有給休暇は翌年度の6月にCP N-1に移動し、有給休暇を消費(Pris)するごとにCP N-1から引かれていきます。

まとめ

有給休暇の概要について、簡単にまとめてみました。
フランスで働き始めたばかりだと、フランス独自の有給休暇の仕組みについて戸惑うことがあるかもしれません。さらに詳しいことを知りたい人は、冒頭にあげた過去の記事を参照してください。

フランスでは有給休暇は労働者の権利として社会に広く根付いています。日本のように取得の理由を問われるようなことはありません。

また、冠婚葬祭や場合によっては子供の病気の際にも特別休暇が付与されます。自身の有給休暇を消費せずに結婚式や葬式に参加することができます。

冠婚葬祭に関する有給休暇については以下の記事に詳しいです。

他にも、不妊治療に関わる診療等にも特別措置が設けられています。

有給休暇は純粋に休みを個人、家族で楽しむものという考え方なので、それ以外の理由で休みが必要となる場合は、まずは会社の人事等に問い合わせてみましょう。

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