わーい、初の給料日だぁ!先週残業いっぱいしたから、お給料たくさん振り込まれてるかも。わくわく。
あれ、どうしたの?元気ないね?
残業代、全然振り込まれてなかった・・・。
えー!なんで?
わかんない・・・。私、だまされてるのかもしれない!
…と憤る前に、月の給料がどういうサイクルで計算されているのかについてみていきましょう。
給料日はどうやって決まるのか?
給料日をいつにするかは、雇い主側の自由です。
月末支払いをするところが多いですが、翌月の5日や10日に支払うところもあります。
給料日の設定は自由ですが、雇い主側は次の給料日との期間が同一であるようにする義務があります。
今月は27日に支払いで、翌月は20日、再来月は31日、とはできません。
給料の支払い方法
給料を受け取る方法は以下の3つです。
- 現金(1500€まで)
- 小切手
- 銀行振込
銀行振込の場合、自分の名前の口座が必要となります。
家族の誰かの口座に振り込んでもらうことはできないので、銀行振込を選択する場合は予め自分の名前の口座を作ってからにしましょう。
給料計算のサイクル
給料計算のサイクルは会社の規模や給料日によって違いますが、以下のように大別されます
- 15日から20日までの情報を当月分の給料に反映し、残りは翌月に支払う
- 前月の情報を翌月の給料明細に反映する
15日から20日までの情報を当月分の給料に反映し、残りは翌月に支払う
当月に起きたことを当月の給料明細に反映させます。
給料計算を担当するGestionnaire de paieが現場から情報を受け取って、計算を行い支払いを完了させるまでに1週間から10日ほどかかります。
そのため、月末の最終週の情報(超過勤務、欠勤等)は翌月に繰り越すことになります。
スーパーなどの店舗経営の場合、月の予定表に超過勤務の時間がすでに割り当てられている場合があります。
その場合は、みなしの残業代を払い、翌月に調整することになります。
当月払いの利点は、分かりやすいことです。当月に起こった出来事をその月に処理するので、双方にとって理解しやすいと思います。
欠点は、雇用主にとっては正確性に欠ける点です。例えば20日にCDD(有期雇用)を1人雇ったとします。彼には月末に20から31日までの基本給のみが支払われます。しかし、たびたび起こるのが、26日以降仕事場に来ない、という無断欠勤です。
月末支払いの場合、26日の時点で振込準備が済んでいる段階です。無断欠勤は給料明細に反映されません。大抵の場合、こうした人物はそのまま音信不通になるので、1週間分の給料を持ち逃げされることになります。
前月の情報を翌月の給料明細に反映する
残業代や病欠、有給等の全ての情報を当月ではなく、翌月の給料明細に支払う方法です。つまり、8月の給料に7月の残業代等が支払われます。
すでに確定している前月の出来事に対しての給料明細なので、払い忘れ、払い戻しの処理が少なく、より正確な情報を反映させることができます。
欠点は、従業員にとっては少し分かりづらい点です。7月に20日間休んだとすると、当然ながら、8月の給料は半分以下になります。短い期間であれば、「あ、これは先月の休んだ分だな」とすぐ分かりますが、例えば1年以上の育児休暇をとった社員の場合、復帰直後の給料明細で2年前の欠勤分のマイナスの繰り越しが清算されるので、「えっ、なんで?1ヶ月働いたのにどうしてこんなに少ないの?」と混乱することがあります。
月の初め、半ばでの退職の場合
退職もしくは契約終了後、給料の支払いと共にいわゆるSolde de tout compte(清算書類)を受け取ります。関連書類は以下の4点です。
・ Attestation employeur(雇用証明書)
・ Attestation Pôle emploi(職安への証明書)
・ Solde de tout compte(清算書類)
・ Bulletin salaire(最終日の給料明細)
最初の2つの書類、Attestation employeurとAttestation Pôle emploiは失業保険を受け取る際に必要となる書類なので必ず受け取りましょう。特に入社日に間違いがないかどうか、確認しましょう。
Solde de tout compteは最終日の給料明細を文章で書き起こしたものです。2部受け取るので、1枚にサインして雇用主側に渡します。この書類も一応は義務なのですが、特段の重要性がないので、あえて作らない会社もあります。
月の途中での退職の場合、給料はいつ支払われるのか?
月の前半で仕事を辞めた場合の給料の支払いは方法は会社によって様々です。
月末1回のみの支払いしかしない会社の場合、たとえ8月5日に退職しても、28日の支払日まで待つことになります。
たくさんの従業員を抱えている会社だと、月末の給料日の他に1回から2回(主に1週目と2週目)の支払い日を設けて、月の半ばに退職する社員への支払いを月末を待たずに完了させます。
また、退職日の翌日にすぐに支払うところもあります。
こればかりは会社の方針なので、支払いと給料明細は月末まで待ってほしいといわれたらそれに従うほかないです。会社によっては証明書の書類を先に渡してくれます。
月の最終週での入社
月の最終週、26日から31日に入社した場合、みなし労働として基本給のみを支払う場合もありますが、社員が本当に出社するかどうかを用心して、その週の給料は翌月の給料と一緒に支払われるところが多いでしょう。
しかし、Pôle emploi(職業安定所)で就職支援を受けている場合、少し困ることになります。というのも、就職後も引き続きPôle emploiからの支援を受けるためには、各月の15日までに前月の給料明細を提出しなければならないからです。
その場合は、雇用主に説明して、Attestation employeurを作ってもらいましょう。Attestation employeurには入社した日、当該月の収入が記載されています。これを給料明細のかわりにPôle emploiに提出します。
まとめ
給料計算の締め日は会社によって様々なので、時間外労働した分が支払われていない等の場合は翌月の給料明細を待って確認してから雇用主側に問い合わせをしましょう。
一般的には、先月分の情報には給料明細の一行の最初にRのマーク(Rappel)がついていたり、コメントにdu 26/07/2023 au 31/07/2023といった情報が書き込まれていたりします。
従業員の中には、残業代を見込んで買い物をしたので、来月ではなく今月分に振り込んでもらわないと困る、という人がいます。
その際は、Acompte(前借り)を申し込みましょう。当然のことながら、途中入社、退社を除き、給料の支払いは月に1回のみです。
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